2011年1月26日水曜日

DC10日目、DC観光

雷でも落ちたのかと錯覚するような思わずびくっとしてしまう音を発し、威嚇するような蛍光色で周囲を照らす、DCを何台も連続して走るパトカーを見ながら、思わず気を引き締めた。

DCと言えば観光名所でありながら、犯罪の発生率が高い都市。安全な場所から5ブロック間違って行くと、何があっても仕方ない。過去のDC観光では現地の友人が案内してくれていた。現地の人がいるというだけで心に余裕が生まれる。犯罪を心配することなく、観光に専念することができた。むしろ、犯罪のことなど考えたことすらなかったかもしれない。しかし、今回は現地の友人はいない。自分の身は自分で守らねばと思った瞬間に、DCが今までとは違って見えてきてしまった。

観光名所への道なりを、安全な場所なのか、大きな道路であるか、周りに人は十分いるかと考えながら見て回る。楽しむ気分が削がれてしまうかと心配。しかし、温かい天気のおかげで気持ちも明るくなってきた。モールの中、観光名所の中に入ってしまえば安全。ここからは思う存分楽しむ。

温かい気候のDC観光初日、もちろん見て回るのはメモリアルの数々。DCの中には戦争を記念して建てられた記念碑、大統領の功績を称える意味で立てられた記念碑などが多くある。有名なリンカーン記念館などもその一つ。代々木公園よりも大きい敷地の端々に立てられているメモリアル。今日の歩きの工程は思ったよりも長く、長くなりそう。

1日かけて全てのメモリアルを見て回った。ずっと歩き続けていたので、足はパンパンに。たくさん見たメモリアルの中で一番印象に残ったのが、第二次世界大戦メモリアル。リンカーンとワシンントンモニュメントの間に作られているメモリアル。

ボランティアの方が大きな声で案内をしている。もしも良かったら一緒に見て回らないか、と気さくに声をかけてくる。楽しそうな方だったので、一緒に参加させてもらうことに。第二次世界大戦について描かれたパネルを紹介。日本についてどんな風に描かれているのだろうか、もしも日本人と戦っているところが描かれていたら気まずい雰囲気になるのかな、と考えながら話を聞く。パネルの中には日本人の行動が描かれている場面などなかった。アメリカ人が戦争にどう立ち向かい、その家族がどう戦争と向き合ったのか、戦争の裏で必死に生きる人々が描かれていた。アメリカ人の戦死者についての話になる。星の数で死者を表しているとのこと。ボランティアの方がふと、ところで日本ではどのくらいの犠牲者が出たの、と聞いてくる。正式な数はわからないと答える。日本人の犠牲者の方がアメリカ人よりも多いよね、とボランティアの方が答える。そうだと思うと、私が答える。

どんな気持ちでこのメモリアルを見ることが正しい態度だったのか、と今でも悩む。日本人が深くかかわった戦争。アメリカサイドの見方。日本の行動を正当化することもできるし、アメリカ人が核について語らないことを批判することもできる。このメモリアルを見て、第二次世界大戦に対してどう考えるべきか、もう一度再考したいと思った。そういう意味で、一番心に残ったものだった。

さて、帰りもまた気を引き締めて行かなければ。観光モードを切り替えて。

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